「キリン」と呼ばれた話。
「キリン」は可愛い動物である。私は小学校1年生から6年生まで「首長」「キリン」と呼ばれ続けた。実際には首がそこまで長いというよりは極端に痩せていた事、肩があまりなかったから首が目立ったからなんだろう。
キリンは可愛いからいいじゃないか、と人は思うかもしれない。しかし言われ方による。あくまでも汚いものを吐き捨てるように、主に男子から呼ばれ続けた。
小学校に入ってから、人との関わり方がわからず、能動的に会話に参加できないまま6年間過ごしてしまった。自分が人の邪魔をしたり悪口を言ったりした事は無い。ただ、私という存在は陰気で、目障りだったのだろう。そして、見た目も気持ち悪かったのであろう。
給食当番に立てば、同級生たちは私から食べ物を受け取るのを嫌がった。
毎日が大変に辛かった。
しかし、私よりももっとひどいいじめを受けている者が他にいた。そして、その者が先生に相談したところ「いじめられる方が悪い」という結論になった。
いじめをしている者達は、先生のお気に入りだった。1970年代後半から80年代前半というのは、そんな理屈も通る時代だったのだ。
ここまで読んで、訪問してくださった方はどう思っておられるだろう。たぶん、もっと酷い経験をしている人がいると思う。
ちなみに自分は、今現在、別に不幸では無い。友人もいる。過去のこのような経験について他人に話す事は、家族を含めて、無い。